企業のでんわの種類は?開業時に必要な電話回線をわかりやすく解説

現代は、スマートフォンを1人1台持つ時代です。そのため自宅に固定電話を置いていないという家庭も多く、固定電話は必要ないと感じている経営者もいるでしょう。
しかし携帯番号だけでは銀行や取引先企業、顧客からの信用が薄いため、創業のタイミングで固定電話を持つことをおすすめします。しかし固定電話を導入するための、電話回線についてよく分からないと感じている方も少なくありません。
企業の場合は、一般家庭よりも電話の受発信が多いですから、企業にあった電話線えらびが重要になってきます。
そこで本記事では、これから起業をすすめる方に欠かせない電話回線について紹介していきます。どんな電話回線があるのか知りたいという方や、おすすめの回線について知りたい方はぜひチェックしてみてください。
企業に電話回線を導入する理由
この記事をご覧になっている方の中には「固定電話がなくても、スマホがあれば問題ない」と考えている方もいるかもしれません。たしかにスマホは便利ですが、企業の経営をスムーズにさせるために電話回線は必要なのです。企業に電話回線が必要な理由は、以下の2つです。
企業の信用度を高める
スマホ文化がいくら発達したとはいえ、企業の代表番号が080や090から始まることに対し、不安感をもつ人は大勢います。携帯番号は詐欺などの「飛ばし番号」にも使われるため、信用度が低いのです。企業が固定電話をもつということは、最低限の信頼関係を築くためにも必要な準備と言えるでしょう。
各種申請がスムーズ
会社の登記情報には、企業番号を記載する欄がありますが、そこに携帯番号を書くと、その後の変更が必要になります。
「事業が安定してから電話回線を引こう」と考えている方もいるかもしれませんが、登記変更の手間をなくすためにも、最初の段階で電話回線は引いてあったほうが便利でしょう。
また補助金の申請や銀行融資の申請にも、携帯番号とは別に、企業の代表番号が必要になります。スマホの番号だけでは不便に感じ、後から電話回線を引く経営者は多いですから、早めに電話線を引いたほうがいいでしょう。
電話回線とは
そもそも電話回線とは、電話機と電話交換機(PBX)を接続するための回線を指しています。イメージするなら声を運ぶ道路のようなものでしょう。もし電話回線がなかったら、通話は行えません。一般家庭の固定電話は、電話機1つにつき電話回線が1つ必要です。
企業で使われる電話回線の仕組み
一方企業では、主装置もしくはPBXと呼ばれる装置を置くことで、1回線で複数の電話機を接続する事ができます。PBXの主な役割は、電話の制御です。
外線や内線の取次ぎや、転送電話といったビジネスフォンの便利な機能の制御を自動で行ってくれます。各デスクにビジネスフォンが設置されていても、問題なく制御できているのはPBXのおかげです。
進化した電話回線
地球上で初めて電話が使われたのは、今から100年以上も前のことです。それから通信技術の進化によって、電話回線の技術は大きく発展してきました。
これまで電話機と電話回線は、優先ケーブルで接続されるのが一般的でしたが、いまではコードレス化が進み、企業の代表番号をスマホで使えたり、外出先など場所にとらわれずに電話を使うことができます。
電話回線の種類は大別して2つ
電話回線に使われている技術は主に「メタル回線」と「光ファイバー回線」の2つです。そこから細分化し、メタル回線の中に「アナログ回線・ISDN回線」、光ファイバー回線のなかに「IP電話・光電話」に分かれます。
以下では、アナログ回線・ISDN回線・IP電話・光電話の仕組みと特徴について解説していきます。
アナログ回線
アナログ回線は、戦後からずっと使われてきた電話回線の基礎となった回線です。メタル銅線を使って、音声を電気にのせることで通信を行っていました。
アナログ回線の仕組みは糸電話に非常に似ています。メタル線に自分の声を通すことで、相手に伝わる仕組みです。メタル線を伸ばして遠方まで声を届けるため、距離が遠ければ遠いほど抵抗が強くなり、音質が悪くなります。
ISDN回線
ISDN回線もアナログ回線同様に、メタル銅線を使った電話通信です。しかしアナログ回線と異なる点もあります。ISDN回線は音声をダイレクトにメタル銅線へ流さず、音声を0と1のデータに変換してから通信をおこなっています。
メタル銅線を使いながらも通信はデジタルというISDN回線は、今後登場するデジタル電話のもととなる仕組みを採用しているのです。
ISDN回線は音声をデータ変換することで、情報量を少なくすることに成功しました。そのためアナログ回線よりも音質が良く、1回線で2通話を同時に行えるのが特徴です。
IP電話回線
メタル銅線を使った通信技術から、進化したのがデジタル回線です。IP電話のIPとは「インターネットプロトコル(Internet Protocol)」の略で、その名の通りインターネット回線を使って通話をおこないます。
IP電話は「050」から始まる番号が提供されるのが特徴で、通話料はISDN回線よりもお得になっています。しかしインターネット回線をつかっているため、有線に比べると通信が乱れやすく、音質が下がる可能性があります。
光回線
企業の中でもっとも導入が進んでいる電話回線が光回線です。光回線に申し込むことで、ネットと電話を一緒に導入することもできるので、電話回線の種類に対してこだわりがなければ、光回線にして間違いないでしょう。
ネットと電話をまとめられること以外にも、光回線が人気の理由があります。それは光回線であれば、電話番号を変換する必要がないということです。03などの市外局番をつかえるので、電話番号の変更の手間がなく簡単に切り替えができます。
IP電話の050番号とIP電話の光電話は、デジタル回線を使っていることは一緒ですが、提供会社が異なります。IP電話は主にプロバイダ事業者が提供しているのに対し、光電話は回線事業者が提供しているので間違えないようにしましょう。
光回線をつかえばクラウドPBXを導入できる!
これまで企業で複数の電話機を使うときには、PBXと呼ばれる制御装置を用意しなければなりませんでした。PBXの設置にはスペースをとりますし、社外から企業の代表番号を使うことはできません。そのため従来は「代表番号はオフィス内でしか使えない」というのが常識でした。
ところが固定回線をつかえば、サーバーをクラウド化するのと同様に、PBXもクラウド化できます。つまり外出先でも家でも、代表番号をつかえるようになったのです。
利用できる端末は、お手持ちのスマホやタブレット、PCで問題ありません。わざわざ電話機を導入する必要はありませんから、電話回線の導入がしやすいのが特徴です。
もちろんクラウドPBXなので、ビジネスフォンに搭載されている外線・内線・転送・通話録音といった機能も丸ごと使えます。
まとめ
電話回線の種別にはメタル回線とデジタル回線があり、現在のビジネスの主流はデジタル回線にあります。デジタル回線の中でも、光回線は知名度・安心感ともに高評価となっていますから、これから電話回線を申しこむという方は、ぜひ光回線を検討してみてはいかがでしょうか。
また固定回線を使うことで、PBXをクラウド化したクラウドPBXの利用も可能です。オフィスよりも外回りのほうが多いという方や、場所を取らずにビジネスフォンを導入したいという方は、クラウドPBXを使って電話業務の効率化を狙って行きましょう。