BPOとは?アウトソーシングとの違いとメリットデメリット

人手不足や企業のテレワーク化に伴い、BPOやアウトソーシングの活用が注目を集めています。
BPOやアウトソーシングはどちらも外部に業務を依頼をすることで、社内の業務効率化を図るものですが、実際は双方でどのような違いがあるのか分からないという方も多いでしょう。
そこで本記事では、BPOとアウトソーシングの特徴に注目しながら、BPOのメリット、デメリットについて解説していきます。
BPOとは
BPOとは、「ビジネス・プロセス・アウトソーシング(Business Process Outsourcing)」の略で、一部の業務を丸ごと外部の専門業者に委託をすることです。
企業には、コア業務、ノンコア業務がありますが、主にBPOは「ノンコア業務」で導入されます。
たとえば電話業務でBPOサービスを活用する場合、電話機の選定からお客様対応までの一連の流れをすべて委託することができるのです。分かりやすく例えると、パッケージ化された業務を買うというイメージです。
特に、BPOサービスを提供している企業は、その業務を専門でおこなっていることがほとんどなので、経営リソースの最適化と業務品質の向上にもつなげられます。
BPOとアウトソーシングの違い
一方、BPOと類似したサービスに「アウトソーシング」があります。アウトソーシングとは、業務の中の一部分だけを委託することができるサービスです。
BPOとの違いは、業務の一部を外部化するのか、すべてを外部化するのかという点です。
また、顧客(企業)に利用される期間にも違いがあります。BPOは継続的に利用されることがほとんどですが、アウトソーシングは繁忙期や社員旅行時など単発的に利用される事が多いサービスと言えます。
そのため、分かりやすく言えば、アウトソーシングは人材派遣、BPOは完全外部委託といったところでしょう。
BPOのメリット
社内の一部の業務を完全に外部に委託することになる「BPO」。ではBPOを活用するのにはどのようなメリットがあるのでしょうか。BPOのメリットとしては以下の5点が挙げられます。
- 人材不足の解消
- 業務効率化
- 顧客満足度の向上
- コンプライアンス遵守の徹底
- 経営リソースの最適化
それぞれを詳しくチェックしてみましょう。
人材不足解消につなげられる
1つは人材不足の解消につなげられるという点です。平成29年3月の独立行政法人 中小基盤整備機構の調査報告によると、国内の中小企業においては約7割の企業が人手不足に悩んでいるとされています。
特に、人手不足が深刻化しすぎた企業では、それが原因で廃業に追い込まれてしまうケースもあるほどです。
その点、BPOサービスを活用し、業務を一括して外部に委託することで、既存従業員のリソースをコア業務に割くことができるでしょう。
(参考資料:「人手不足に関する中小企業への影響と対応状況」 中小基盤整備機構HP)
業務効率化
また、これまでノンコア業務に割いていた時間が丸ごと社内からなくなるわけですから、全体的な業務効率化にもつなげられるでしょう。
顧客満足度を高められる
BPOサービスを提供している企業は、対応している業務を専門で行っているケースがほとんどです。そのため、委託する業務に対して、専門的な知識やノウハウを持っているので、お客様対応が必要な業務であれば顧客満足度を高められる可能性があります。
コンプライアンス遵守につながる
BPOサービスを提供している企業はISMSやプライバシーマークを取得し、セキュリティの保全に努めている企業が多くあります。
自社内では研修などに時間が割けなくてもBPOであれば、契約に伴いセキュリティ対策などが強化されるので、コンプライアンス遵守につなげられるのです。
外部企業の業務を委託するのが、その業者の基本業務になるので、良い業者そうでない業者を見極めるにはこれらを取得しているかしていないかというところをポイントとすると良いでしょう。
経営リソースの最適化
また、BPO導入にあたり企業ではコア業務とノンコア業務の振り分け作業を行うことになるはずです。
そうすると、人手がそれほど必要ではない業務や、もっと言えば他の事業部に統括できる業務などが浮き彫りになるでしょう。それらを可視化するだけでも、につながります。
BPOのデメリット
一方、BPOのデメリットとしては以下のような項目があげられます。
- 解約のタイミング
- 社内システムとの連携
- コストがかかる
- 情報漏洩のリスクを抱える
こちらもそれぞれについて確認してみましょう。
一度契約をするとなかなか解約ができない
BPOはアウトソーシングと違い、委託する業務に関わるすべてを包括して依頼します。そのため、長期的な契約になる上に、解約したいときに解約しにくいのが難点です。
お試し期間を設けているサービスもあるので、どのサービスが良いのか比較検討をし、導入するようにしましょう。
社内システムと合わない可能性も
すべての業務を外部に委託するといっても、結局は自社の業務にも関わるところですので、社内システムや社内の業務プロセスとの相性が合わないと上手く行かない可能性もあります。
導入費用が高額になる場合も
また、外部企業の経営リソースを購入することになりますので、導入費用が高額になることも考えられるでしょう。
人材を雇ったり、他の業務を担当していた従業員を異動させたりすることで、上手く業務が回らないか、またどちらが低コストなのかを確認してからBPOサービスを導入することをおすすめします。
情報漏洩のリスクが懸念される
外部に社内の情報を共有するため、情報漏洩のリスクもゼロではありません。より信頼できる業者に委託できるよう、ISMSやプライバシーマークを取得している業者かどうかを確認してから契約すると良いでしょう。
電話業務のBPOなら「電話代行」
BPOサービスとして、企業の活用シーンが多いのが「電話代行」です。電話業務は企業に欠かせない業務の1つですが、それゆえ従業員のリソースをおおく割きがちです。
また、電話はかかってくるタイミングが予想できない場合がほとんどですので、電話がかかってきたら他の業務をとめて受けなければなりません。
ここからは、BPOで電話代行を契約するメリット・デメリットと、電話代行サービスをおすすめする事業者をご紹介していきます。
BPOで電話代行を契約するメリット
BPOで電話代行サービスを契約するメリットは下記のような事項が考えられます。
- 業務効率化
- 経営リソースの最適化
- コア業務に集中できる
- 取り次ぐべき電話のみ受けられる
- 人件費の削減
業務効率化や経営リソースの最適化の他、電話業務に費やす時間がなくなることで、これまで電話業務を行っていた従業員は、コア業務に集中することができるようになります。
また、取り次ぐべき電話、取り次がないでよい電話を電話代行業者が見極め、取り次ぐべき電話のみを対応することができるので、顧客対応の質も向上させられるでしょう。
BPOで電話代行を契約するデメリット
一方、下記のようなデメリットもあります。
- 情報漏洩のリスク
- 社内への問い合わせが不透明になる可能性も
企業にかかってくる電話は、社内の機密情報を含んだ内容である可能性があります。そのため、情報漏洩を防ぐためにも、強固なセキュリティ対策が取られているBPOサービスを選択しなければ後々トラブルになりかねません。
更には、一時対応をすべて電話代行業者に委託することで、社内への問い合わせが一部不透明になることも懸念されるでしょう。業者とは密に連携をとるなどして対応する必要があります。
電話代行サービスをおすすめする企業
包括して企業の電話業務を委託できることから、BPOサービスの導入時に電話代行を検討される企業も多いでしょう。
では、実際に電話代行はどのような企業が効果を得られやすいのでしょうか。
- 電話業務に多くの人件費を割いている企業
- 1日の受電数が100件を越えている企業
- 他の業務に集中したいのにできていない企業
主に上記3つの企業に電話代行サービスをおすすめします。電話業務を行う人を3人雇っていたとすると、その従業員らに支払う給与は月に15万円から20万円程度です。その点、電話代行サービスに委託をすれば、月に1万円からで利用することができ、10万円以上のコスト削減を行うことができます。
1日の受電数が100件を超えている企業や他の業務に集中したいのにできていない企業なども、課題解決につなげられるでしょう。
まとめ
本記事では、BPOとアウトソーシングの違い、BPOのメリットデメリットと合わせて、数あるBPOサービスの中でも昨今注目を集めている「電話代行サービス」について解説しました。
今後ますます労働人口が減少し、人手不足が深刻化していくと予想されているなか、企業が生き残っていくためには企業同士の協力体制が必要不可欠になると言えるでしょう。そうした点では、BPOやアウトソーシングなどを活用する企業は更に増えていくのではないでしょうか。
BPOを検討している経営者のかたや、電話代行について課題を感じているという場合は是非下記のお問い合わせ窓口からお気軽にご相談ください。