電話対応なしでストレスフリーな仕事場にする方法

急速なデジタル化が進んでいる昨今、1家に1台当たり前のようにあった『家庭用固定電話』が姿を消しつつあります。そうした中で、家庭用固定電話を知らない世代の人々の事務職退職の理由の1つとして、『知らない人の電話に出るのが怖い』というのがあるそうです。
実際、自分宛の電話であることが明確である上に、誰からかかってきたか等も分かるスマホへの着信にくらべて、会社の名前を名乗って知らない人からの電話を受電するのはストレスだと感じている方もいらっしゃるのではないでしょうか。
そこで本記事では、電話対応がない仕事としてどのような職種があるのか、求人の探し方等を解説してまいります。電話対応のないお仕事を探している方は是非参考にしてください!
電話対応をしたくない理由とは
冒頭で、電話対応にストレスを感じる方もいらっしゃるのではないかとご紹介しました。そもそも電話対応をしたくない理由とはどんな理由があげられるのでしょうか。
相手の言ってることが聞き取れない
1つは、相手の言っていること、伝えたいことが聞き取れず、重要な部分が理解できない場合がある点です。何度も聞き返したことでクレームに繋がったりしてしまう可能性もあるため、恐怖心を抱きやすいでしょう。
謝罪をしつつも、お客様にお手間を取らせてしまったことやうまく聞き取れないこと自体に、ストレスを感じてしまいます。
緊張してしまう
また、『上手く電話ができているか気になる』、『他の従業員に電話姿をどう思われているのか気になる』、『やり取りが上手くいっていなかったら後から叱られるのでは』と思ってしまい、緊張する方も多いでしょう。
上手く話せているのか、企業の電話だから好印象を与えなければならないと誰しも気になるものですが、そればかりに気を取られてしまい肝心の電話に集中できず、ミスに繋がる可能性も少なくありません。
ビジネスマナーに自信がない
企業にかかってくる電話は、私用の電話ではありませんので、基本的には『会社名+自分の名前』で受電することが殆どでしょう。そうすると、会社の名を名乗っているというプレッシャーと、上手く対応できるかどうかで不安になる方も多いのではないでしょうか。
電話対応の研修があれば、ある程度練習ができますが、中途採用の場合などは、電話対応はできて当たり前とされ、初日から任されることもあるかもしれません。マニュアルや研修もないままに見切り発車してしまうことで、ビジネスマナーに自信がなく電話対応がますます苦手になってしまうという方もいらっしゃいます。
》電話対応のビジネスマナーをつけよう|気をつけるべき8つのポイント
電話対応の研修がない
前項に繋がってくる部分ですが、企業自体が電話対応の研修を行っておらず、新入社員が見様見真似の対応を続けていくことで自信喪失に繋がってしまう可能性もあります。
企業それぞれの受電の仕方、受け答えの仕方など丁寧な研修があれば、電話対応に感じていたストレスを軽減させることができるという方もいらっしゃるでしょう。その場合は、企業側や上司に相談してみるのもひとつの手でしょう。
クレームがこわい
また、何より自身のスマホへの着信と、企業への着信の大きな違いは、クレームの電話があるかないかという点です。
着信番号だけでは受電内容はわからないので、営業担当へのクレーム、経理担当へのクレームなど、内容も知らないクレームを淡々と聞き続けなければならないことも起こりうるでしょう。
クレームの一次対応は、企業の窓口である事務職員、受付職員がすることが多いです。そのため自身には関係のない話で怒鳴られ、平謝りするしかないことに多大なストレスを抱えるケースも少なくありません。
上司に報告をするのが苦痛
単に電話を受けることだけではなく、電話対応をしたあとの報告をするのが苦痛であるという方もいらっしゃいます。
時間のない上司に、簡潔に、そして分かりやすく、受電の内容を伝えなければなりません。もしその伝達が上手くいかなければ、かえってクレームにつながったり、上司から叱責を受けることに繋がる場合もあります。
このように電話を受けた人がすべての責任を負うように見えることから、電話対応に苦手意識を持つ方も多いのではないでしょうか。
電話対応なしの仕事とは
電話対応以外の業務には特に問題やストレスはないものの、電話対応が原因で仕事を辞めたいと考える方も少なくありません。そういった場合、そもそも電話対応がない企業、仕事に就きたいと考える方もいらっしゃるでしょう。
ここからは、電話対応なしの仕事をピックアップし、それぞれ解説していきます。
情報スキルや専門スキルを求められる仕事
1つは、情報スキルや専門スキルを求められる仕事です。このようなスキルを持っている場合、もしくはそのスキルを認められ入社した場合は、受電対応等の業務はさせないこともあるでしょう。
というのも、企業側としては、企業に必要な情報スキルや専門スキルを持っているのであれば、スキルを活かした仕事に徹してもらいたいため、電話対応をさせる時間がもったいないという考え方になるからです。
電話対応が少ない企業への転職を希望される方で、このような専門スキルを持っているのであれば、専門スキル等を優遇してもらえる求人を探すとよいでしょう。
OA事務
『OA事務(オフィスオートメーション)』とは、パソコンやファックスなどの機器を使って書類を作成する事務職のことです。
そのため、電話対応やファイリングなどが中心の一般的な事務職と比べて、パソコンを使って書類作成活動に徹する事務職として『OA事務』という職種が区分されています。電話対応がメインの仕事である一般事務職の方が別でいらっしゃる場合、OA事務は社内の内線のみで外部のやり取りが少ないケースが多いです。
しかし注意したいのがOA事務としつつ、電話対応が業務の一つとされている可能性もあるという点です。電話対応の少ない職場への転職を検討されている方は、『電話対応少なめ』や『電話対応なし』などの文言が入っているかどうか確認するとよいでしょう。
データ集計
OA事務と類似していますが、パソコンを使ったデータ集計に特化した事務の場合は、電話対応をしなくてよい企業も多いようです。集計されたデータは時に、営業活動にとても重要な資材となったり、期限が取り決められていたりする場合もあります。
電話対応に負われて、データ集計の業務に費やす時間が少なくなってしまえば、その他の場所に影響を及ぼす可能性もあるため、電話対応は少なく、専門の業務に徹するよう求められているということです。
ただし、企業や時期によっては電話対応が増える可能性もあるかもしれないので、求人情報を確認したり、面接時に質問するなどしてみるようにしましょう。
商品仕分け(事務職)
企業によっては、商品仕分けの事務がある場合もあります。製造業や運輸業、卸業などに多い職種ですが、この場合は現場等に出て、仕分けの作業を行うのがメインであるため、当然電話対応はないのが一般的です。
事務以外の職種なら電話対応がない職種も多い
テレアポなどの電話を使った営業を除いて、事務以外の職種であれば電話対応がない職種も多いです。事務にこだわってしまうとどうしても、電話対応はつきものになりがちですが、下記のような職種であれば、電話対応は殆どないと言ってもよいでしょう。
- 室内警備などの警備員
- 製造業、工場等の作業員
- 塾講師等
警備員や作業員などは現場に出ているため、電話対応をする時間がそもそもありません。塾講師の場合は、職員室にいる際にかかってきた電話を取る可能性や保護者からの電話を取る可能性がある場合もありますが、一般事務程頻繁な電話対応はないのでおすすめです。
求人内容に電話対応の有無を記載しているケースも
また、電話対応がストレスとなり、退職する従業員も増えていることから、求人に『電話対応無し』などと記載されているケースも増えてきました。電話対応の有無が職決めの必須条件であるという方は、電話対応無しを条件にいれたり、面接のときに直接たずねたりしてみてもよいでしょう。
ただし、求人や採用時には電話対応は無しと伝えられたのに、実際に入社してみると電話対応をさせられてしまったということも起こりうるかもしれません。
そのような事態を防ぐためにも、先輩社員の口コミを確認したり、内部情報を得られる転職サービスなどに登録してみましょう。実際に働く社員の情報収集をしておくことで電話対応のない企業に就職できる可能性が高まるはずです。
最近では電話代行を導入している企業も
とはいえ、『事務』という職種に就けば、専門業務を任せられない限り、電話対応を含めた庶務を振られがちです。
そうしたなか、最近では事務職員の負担を軽減することや、お客様対応をスムーズ化することを目的に、電話代行を導入している企業も増えています。
導入していれば事務職でも電話対応がない?
もし仮に電話代行を導入している企業や店舗であれば、代行会社の人が企業にかかってくる電話を代行して取ってくれるので、事務職でも電話対応をする必要はありません。
電話代行を導入していない企業の場合、どうしても人手が足りない場合などは、いくら専門業務を任されていても、いくら書類の作成が沢山のこっていても、電話対応をしなければならないときが来るかもしれないのです。
しかし、電話代行を導入している企業ではそもそもお客様からの電話が鳴らないので、電話対応のストレスがなくなり、自分の業務に集中することができます。電話対応が苦手な方は、受電代行を導入している企業を狙って求人を探したり、面接を受けたりするのもよいかもしれません。
まとめ
本記事では、電話対応が苦手な方に向けて、電話対応の少ない職種や求人の探し方について解説いたしました。
事務職は、営業担当等の業務効率化を推進する補佐のような立ち位置でもあるため、何かと庶務や電話対応などの業務を任せられがちです。専門スキルや担当の業務がある場合は別ですが、『一般事務』の求人の場合は、電話対応等があると考えておきましょう。
そのため、電話対応にストレスを感じる方、苦手意識のある方は、本記事で解説した職種、への転職、就職を検討してみると良いでしょう。もしくは企業や担当者に、費用対効果を提示したうえで、電話代行サービスの導入を提案してみるのも良いかもしれません。